
第 9 地区
異色のエイリアン映画。舞台がヨハネスブルグということで、エイリアン映画に仕上げているが、アパルトヘイトを取り扱った作品ぢゃないか…。 (--;
ニュース番組やインタビューから始まるなど、ドキュメンタリー風なタッチで表現された異色のエイリアン映画。容姿はエビっぽいものの、強靭さは人類のちょっと上ぐらいの設定か。ある日、ヨハネスブルグ上空に宇宙船が停止する。事故か戦略かは不明だが、宇宙船に突入してみると飢餓状態にある 180 万人のエビ (映画中のエイリアンの呼称。侮蔑的な意味が含まれる) がいたため、第 9 地区を難民キャンプとして彼らを住まわせる。それから 20 年が経ち、スラム化した第 9 地区の問題を解消するために、新たな居住区への強制退去が施行される。そのプロジェクトを任されたヴィカス (シャールト・コプリー) だが、任務遂行中にエイリアンの保有する液体に触れ、DNA がエイリアン化されてゆく。人類とエイリアンの中間生物となったヴィカスは、差別側の視点と、被差別側の視点の両方を知ることになり、ドラマはクライマックスへ…。
「ちょっと待て!」と言いたい設定はある…。(--; エイリアン相手の売春ビジネスが成立しているようだが、エイリアンは人類相手に勃つのか? 生殖行為が可能なのか? 雌雄別体なのか? …とか、猫缶を前にすると判断力が著しく低下するエイリアンは、知能指数が高いのか低いのかわからんぞ??? とか。 (--;
SF 仕立てで差別問題にメスを入れている作品ということで、アバターなんかと近いジャンルだし、迫力あるパワードスーツの戦闘シーンなんかも見応えがある。けど、まあ、社会問題をテーマとした作品としては、ちょっと荒い設定かな。人が消し飛ぶエイリアンの強力な武器の表現なんかを観ると、痛快アクションに仕上げるつもりだったようにも思えるが、ヨハネスブルグで 180 万人のエイリアン難民という設定だからねぇ…。
悪くはない作品なのだが、痛快アクションとして観るか、社会問題映画として観るか、なかなか悩ましい映画だった。
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