
インファナル・アフェア
"ダブルフェイス", "ディパーテッド" の原作となった香港映画の傑作。さすがに見応えのある名作。
"ダブルフェイス" を観た直後に、久しぶりに "インファナル・アフェア" を観たのだけど、改めて観ると "ダブルフェイス" は、原作に忠実だった。
さすがに原作はよくできていて、日本版だと浅い部分がちゃんと描画されてる。例えば潜入捜査官とカウンセラーとの恋愛は、日本版は鎮痛剤が欲しいと訪問し、いきなり寝てるというちょっと雑な描写だったりするので、信頼関係が醸成される描写なり設定なり…が薄いので、取って付けたような印象が拭えない。一方の原作では、カウンセラーとの面談は義務として数ヶ月ほど通っていたことになっていて、人間関係が既に醸成されている感じが漂っている。恋愛関係に発展してもおかしくないと納得できる設定なので、映像描写は短くても、まったく違和感がない。そういえば、"ディパーテッド" は、このあたりは原作を踏襲してた。
偽装警官の恋人は、出会いが描かれておらず、同棲から始まっているのが香港版。日本版では、ヤクザボスから "政府高官の娘を落とせ" という指令でナンパ…ってゆーか逆ナン。ハリウッド版では、マット・デイモンが一目惚れして、職場のエレベーターで必死にナンパ。ここも日本版だけちょっと違和感がある。香川照之の雰囲気に合わないからか? 無理矢理、ヒロインとしての蒼井優を出演させたような…そんな強引さを感じてしまい、イマイチ物語に馴染んでない印象だった。ここのところは、ハリウッド版だけ大きな違いがあって、マット・デイモンが口説いた女性は、潜入捜査官のカウンセラーと同一人物。この女性、クライマックスを彩る重要人物なのだけど、ハリウッド版の設定が一番しっくりくるように思う。まあ、二股ってことになるのだけれど…。
総合的に観て、やっぱり原作はよくできている。 "ディパーテッド" はハリウッド風味に見事に味付けしていて、甲乙付け難い。"ダブルフェイス" は和風に味付けしたものの、ちょっと塩加減を間違えて薄味になっちゃった感じ。
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