このエントリーをはてなブックマークに追加

ブラッド・ダイヤモンド

彼女にダイヤの指輪をねだられて困っている男性諸氏は必見。彼女と一緒にこの映画を観て、それでもダイヤをねだられるとしたら、新しい彼女を捜す旅に出ることをお薦めする。

レオナルド・ディカプリオ主演ということで、エンターテイメントを期待していたのだが、それは大きく裏切られた。ダイヤにまつわるシリアスな社会問題に切り込んだ、本格派ドラマだった。

世界中の女性のあこがれの象徴であるダイヤモンド。その一方で、産出国のアフリカでは、テロリストの資金源だったりもするという側面も持つのだが、その暗部に切り込んだのが本作品。

反政府組織の RUF に村を襲われ、家族と散り散りになった猟師のソロモンは、捉えられてダイヤ採掘の奴隷となるが、そこで巨大なピンクダイヤを見つける。過酷な労働の中、ザクロの粒ほどの小さなダイヤを見つけるのが関の山という状況の中で、巨峰二つ分ほどの巨大なピンクダイヤは、特別な輝きを魅せる。何かを察知したソロモンは、監視の目を盗んでピンクダイヤを地中に埋める。

ちょうど、そのタイミングで採掘場に政府軍が攻め込んできて、RUF と間違えられて一緒に捉えられたソロモンは、収容所でアーチャー (レオナルド・ディカプリオ) にピンクダイヤの存在を知られる。RUF のメンバーではないことが判明して、すぐに解放されるアーチャーは、そこから是が非でもピンクダイヤを手に入れたいアーチャー、家族を取り戻したいソロモン、ダイヤの暗黒面の組織構造を赤裸々にしたいジャーナリストのマディー (ジェニファー・コネリー) の呉越同舟の物語に巻き込まれる。

舞台が シエラレオネ であったり、アーチャーの出身地が ローデシア であったり…と、なかなかヘビーな映画。痛快なエンターテイメント作品ではないが、見応えのある大人向けの良質な映画と言えるだろう。

公式サイト もどうぞ。