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プラダを着た悪魔

ファッション雑誌社の物語なので、女性向け映画な印象だが、これは社会ドラマの傑作だと思う。

"プラダを着た悪魔" とは、ファッション雑誌『ランウェイ』の敏腕編集長ミランダ (メリル・ストリープ) のこと。そこへアシスタントして入社したジャーナリスト志望の田舎娘アンディ (アン・ハサウェイ) の目線から、その悪魔っぷりを描く。

アンディの朝は、ミランダが出社する少し前に、出来たてのスタバのコーヒーを届けるところから始まる。入社したばかりで何も知らないうちから、わがままとも思えるミランダの指示が飛びまくる。アンディの気取らないファッションセンスは見下され、大学時代に学んだことは活かされることもなく、どれだけ頑張ってもぜんぜん認められない。

だがしかし…。

プロの仕事ってこーゆーものだと思う。圧倒的発行部数を誇るファッション雑誌。読者がお金を出す価値のある記事を届けることが、簡単な仕事のはずはないのだ。嵐で決行している飛行機をなんとかしろとか、さすがに無茶だろう…と思うオーダーは除外して…。 ^^;

アンディにとっては、ぬるい社会人デビューではなかったが、苦労の甲斐あって、わずかな期間でどこに行っても一流として通用する社会人に育ってゆく。これぞ守破離。

ヤクザ・マネジメントな職場を何度も経験している私にとっては、メリル・ストリープのブレない編集長っぷりは、まったく悪魔には見えず、プロとしてごく真っ当なものに思える。…というか、ラストまで見れば、それは視聴者に十分伝わるだろう。

ファッションがテーマだけあって、映像も艶やかで、見応えがある。アンディが壁などに隠れる度に服が替わる都会の出勤シーンは、この映画らしい時間の経過の描き方であり、アン・ハサウェイの魅力を引き出すシーンでもあり、お気に入りのシーンの一つだ。

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