
ONCE ダブリンの街角で
なんと、制作費がわずか 1,500 万円という低予算のアイルランド映画。メジャーデビューを目指すストリートミュージシャンのソフトロマンスで、ついつい音楽に聞き入ってしまう名作。
低予算の地味な作りなのだが、口コミで話題になって、人気を博したというこの映画。街角で弾き語りをしていたストリートミュージシャンが、花を売って生計を立てているチェコ移民の少女と出会い、時の流れの中で通じ合ってゆく。
二人ともとっても貧乏で、穴の空いたギターを弾く男と、楽器屋の店主の親切で、時々、ピアノの練習をさせてもらっているという少女。録音もオンボロのラジカセだし、壊れた掃除機を修理して頑張って使っているし…。テレビは近所に一台しかないということで、食事中に隣の家の人たちがテレビを見にくるという生活は、まだリモンコンチャネルがなかった昭和時代を思い出させる。
まるでゴージャスさのかけらもない映画なのだが、その分、心情描写が浮き出ている。そして、それを支えているのが、場面場面で登場する名曲の数々。ミューカル調のそれではなく、メッセージ性のあるストリートミュージシャンのそれは、心に伝わってくる。主演の二人は、アイルランドで活躍するプロミュージシャンということで、作曲、演奏力、歌唱力も一流だから、当然と言えば当然か。気に入ったので買おうと思ったのだが、 iTunes Store では見つけられなかったのが残念だ。
この映画を見て、改めてギターの魅力を思い出し、埃をかぶっているギターを引っ張り出したくなった。
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