
ブラックホールに近づいたらどうなるか?
そういえば、ブラックホールに近づいたらどうなるんだろう?
私が生きている間に、ブラックホールに関わる日はこないだろう…ということで、存在をあまり気にしてなかったブラックホールだが、タイトルに惹かれて手にした本書。もちろん、近づいたら最後で、飲み込まれて押しつぶされて無に帰すのだが、あえてタイトルに持って来ているところが興味深かった。仮に、もし、光速に近い乗り物があったとして、近づくことができたとしたら、どんな景色が見えるだろうか? そんな興味深い描写が、科学的興味を刺激する。
地上の常識に捕われている我々にとって、宇宙の真理を理解すること、想像することはなかなか難しい。例えば、ブラックホールをテーマとすると、距離の単位は "光年" になるが、"光年" がどのぐらいの距離なのか、まったく想像できないハズだ。だがしかし、人の叡智というのは素晴らしく、あらゆる技術を駆使して、遥か遠く、手に届くことのあり得ない宇宙の彼方の真理を見極めつつあるようだ。
ブラックホールそのものは、その引力により光すらも出られないので観測できない訳だが、ブラックホールが出力するエネルギーや、その周辺を通る光やエネルギーのわずかな歪みを観測するなどして、数多くのブラックホールの存在が認められているそうな。
本来は、相対性理論や量子力学などの物理学、数学を駆使して説明する話なのだと思うが、本書に数式はまったく登場せず、子どもにも分かりやすいようなたとえ話がふんだんに盛り込まれている。本書を読むのに数学力は不要で、必要なのは想像力と探究心。久しぶりに童心にかえって、ワクワクする宇宙の姿に想像を巡らしたのだった。 ^^
- ブラックホールに近づいたらどうなるか? [単行本]