
ゼロ・グラビティー
ゼロ・グラビティー を観てきた。宇宙からの生還はいかに?
1. あらすじ
予告編で分かる通り、宇宙で発生した事故からの回避、復旧から生還を目指す物語。宇宙で撮影したのではないかと思うほどのリアリティを引っさげ、刻一刻と変化する目の離せない展開の中、極限状態における人間ドラマを描いたスペース・サスペンス映画の傑作。
経験豊富、冷戦沈着なマット・コワルスキー (ジョージ・クルーニー) と、スペースミッション初参加のライアン・ストーン博士 (サンドラ・ブロック)。ほとんど、この二人しか登場しないという、ちょっと風変わりな映画ではあるが、エンディングまで手に汗を握る展開が続く。
2. 感想
迷子になったら死を意味する宇宙。近所に交番などあるはずなく、誰も助けてはくれない。空気抵抗もなく慣性の法則で流され続け、帰る場所から遠ざかってゆくばかりで、一休みもままならない。こんなところで船外活動なんて、よほどの覚悟がなければやってられない。子どもの頃、宇宙飛行士を夢見たこともあったが、これは無理だ…と思い知らされる圧倒的臨場感。
宇宙での生き残りをかけた自分との戦いを描いた本作は、エイリアンが出てくることはなく、敵とのバトルもない。だがしかし、襲いかかるアクシデントには、ヒシヒシと伝わってくる "本物感" がある。ぜひとも、映画館の巨大スクリーンで体感して欲しいところ。
IMAX 3D で観てきたのだが、暗い映画館の中では、まるで一緒に宇宙空間にいるかのように没入感があった。少しスクリーンを見上げるぐらいになる、やや前方の席だと他の観客が視界に入らないので、特にお薦め。
ジョージ・クルーニーといえば、ER やオーシャンズ 11 のイメージが強いが、おそらくご本人の生来のキャラに近いのだろうと思われる。本作においても爽やかな笑顔、合理的な判断、冷静な決断力と、男前っぷりを遺憾なく発揮している。
原題は "Gravity" で "重力" を意味するが、邦題は "ゼロ・グラビティー (無重力)" となってしまっているのは、映画を見終わった今となっては、とても残念な気がしてならない。
3. スピンオフムービー「Aningaaq」
ゼログラのスピンオフムービーが公開されている。
映画を観終わった人なら「お、これは…!」と気付くが、まだ、ゼログラを観てない人にとっては、きっと意味の分からないムービーだろう。おそらく本編で使うつもりで撮っておいたが、編集で使わないことにした部分を、特典映像のような感じで公開しているものと思われるが、観客の満足感を醸成するのに役立ちそうな、おもしろい試み。