
「お金」って、何だろう?
山形浩生氏、岡田斗司夫氏が、お金の謎をテーマに対談し、その本質に迫ってみたのが本書。おもしろくないわけがない!! ^^
「実は経済学というのは、あまりお金の話が得意じゃないのだ。」と、のっけから意表をついた展開の本書。「へ? 山形さん、何を言ってるの???」と、がっつり食いついてしまって、罠にハマってしまった。
"僕らはいつまで「円」を使い続けるのか?" と副題が付いているのだが、基軸通貨のドルに統合される日が来るという話なのかな??? などと思いながら読んでいたら、ぜんぜん違った。通貨経済の限界と代替経済の思考実験的な内容だった。
お金は信用で成り立っているということなのだが、日常生活の中ではなかなか実感が沸かないかもしれない。試しに円を海外通貨に両替してみると分かるのだが、ウォンとか元とかに見慣れない通貨に変えてみると、価値がわからなくなることを経験できる。「この紙幣、ホントに使えるの?」「確か、十万円分だよな?」と。何度かその通貨で買い物をしてみることで、使える実感、手に入るものの価値から、自分の中に信用が芽生えてくることが理解できるだろう。
RMT の自主規制以降のソシャゲではあまり見ないが、カードのトレードができるソシャゲだと、ゲーム内のアイテム (回復役とか) が通貨の代わりを果たしたりしていた。プレイヤーたちは物々交換をしているつもりだと思うが、ゲーム内アイテムが信用の媒体手段になっていたわけだ。
そういうのを見て、「いつか円に替わる通貨を発行して、運用してみたいなぁ…。」などと思っていたものだ。経済の本をいろいろ読んでも、日銀のやっていることがイマイチよくわからないので、「こりゃぁ、自分で日銀をやってみるしかないな。」と思ってさ。 ^^;
本書の中には評価経済の話が登場する。その実験もやっておられる岡田氏の話は実に興味深く、とってもワクワクさせられる。「お金ってなんだろ?」「評価経済でパンは買えるの?」そんな疑問を持ったなら、きっと両氏の対談を楽しめるだろう。
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